誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)など、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

ルッキズムも、悪くない?
今日は「ルッキズムも、悪くないんじゃないか?」というお話をしてみたいと思います。
最近、「ルッキズムってよくないよね」という声を耳にするようになりました。ルッキズムというのは、「見た目の美しさやかっこよさなど、外見によって人を評価すること」を指す言葉です。
たとえば、美人コンテストやイケメンコンテストなどに対して、「見た目だけで人を判断するのは良くない」という批判が出てきたりしますよね。
白雪姫もルッキズム批判?
最近のディズニー映画『白雪姫』では、こうした風潮を受けてか、ちょっとしたセリフの変更があるそうです。
「鏡よ鏡、世界でいちばん美しいのは誰?」というあの有名なセリフが、内面も含めて美しいのは誰?というようなニュアンスに変えられているそうです。外見だけじゃないよ、というメッセージを込めたアレンジなのでしょう。
でも、見た目だって“才能”の一つです
たしかに、見た目だけで人を判断してしまうのはよくありません。外見が整っていない人を差別するような風潮があれば、それは改善されるべきだと思います。
一方で、外見が魅力的であるというのも、ひとつの“才能”だと私は思うのです。それを「活かしてはいけない」「評価しちゃいけない」となってしまうのは、また違う話ではないでしょうか。
年を重ねれば、外見にも“生き方”がにじむ
若い頃は「顔のつくり」や「体型」といった部分に注目が集まりがちです。しかし、年齢を重ねると、顔つきや雰囲気に「その人の生き方」や「内面」が出てくるようになります。
たとえば、「かわいいおばあちゃん」と言うときの“かわいい”は、見た目そのものではなく、その人の言動や人柄に対する表現ですよね。
「かっこいい人」も同じで、単にハンサムというだけでなく、生き様や所作、考え方なども含まれているはずです。
本当の“見た目”は
外見と内面の合わさったもの
つまり、“見た目”というのは、ただの顔のつくりではなく、内面が外ににじみ出たものなのです。生き方や考え方が外見に表れる。だからこそ、見た目は外見と内面の“統合体”ともいえるのではないでしょうか。
本来のルッキズムが“外見だけの評価”であるなら、それはたしかに偏っています。でも、そうではない「総合的な魅力」としてのルッキズムは、決して否定されるべきものではないと思うのです。
清潔感や服装に
気を配ることも“思いやり”
たとえば、自分に似合う服を選ぶ、清潔感を大切にする。これって、相手への思いやりでもあり、自分自身の成長でもあります。
誰かに「かっこいい」「かわいい」と思ってもらうためだけに頑張るのは、たしかに他人軸でしんどくなってしまいますが、「トータルで魅力的な人間になろう」とする姿勢は、いつだって誰にでも持てるものです。
目指すのは“トータルに魅力的な人”
だからこそ、「ルッキズム=悪」と切り捨てるのではなく、外見も内面も含めた“トータルで魅力的な人間像”を目指すことが大切なんじゃないかな、と思うのです。
それは若い時だけの話ではなく、いくつになっても続けられること。「自分らしく、でもちょっと素敵に」。それが人生を豊かにしてくれるんじゃないかなと、私は思います。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。