
低迷する韓国のサムスングループの現状を嘆く声が関係者から相次ぐ。今のサムスンに、社員、元役員、OBは何を思うのか。特集『サムスン 復活・衰退の分岐点』(全6回)の#4では、黄金時代を知る関係者がサムスンの課題を語り合った。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
好待遇でエリートが勢ぞろいだったが…
サムスンの未来に暗雲!?
スマートフォンや半導体メモリーで世界シェアトップを誇ったサムスン電子。しかし、中国企業の台頭や技術者の流出、カリスマ経営者の不在なども重なり、韓国をけん引する企業としての輝きを失いつつある(詳細は本特集#1『韓国最大の財閥、サムスン低迷の要因は「日本企業化」だった!?半導体戦略のミス、経営陣の機能不全…真相に迫る!』参照)。
こうした現状に、関係者たちはどのような思いを抱いているのか。座談会形式で語ってもらった。
OB…元サムスングループ企業研究職(日本人)
元役…元サムスングループ企業役員(日本人)
社員…サムスングループ研究職(韓国人)
――皆さんはなぜサムスングループに入社したのですか?
OB:当時、日本の大手メーカーに勤めていたけれど、会社の方針で研究対象が変わってしまって、やりたいことができなくなって。たまたま同じタイミングでサムスングループのヘッドハンターに声を掛けられて「渡りに船だ!」と思ってサムスンに移ったんですよ。提示された条件も日本企業とは比べものにならないくらい良いもので……。
元役:私の場合は、大学の知人を介して日本サムスンの社長と会いました。「こういう条件の人を探していて……」と言われて、年齢の条件を除けば、私にぴったりだった。トントン拍子で入社が決まりました。
社員:私は大学院の研究テーマを生かせる企業だと思い、インターンを経てサムスンに入りました。
次ページではサムスン電子の社内の雰囲気、職場から見えてきた課題、好待遇の詳細を関係者が暴露する。