これはよく見られる光景だが、根本的に間違っている。なぜならその人は見極める対象の人物ではなく、自分たちの同僚であり、同じミッションを達成する仲間だからである。配属されてきた人の実力を見極めることは上司や同僚の仕事ではない。

 それよりも、その人が一日でも早く仕事に慣れ、実力を発揮してもらうためにできるサポートを考え、実行することの方がよほど重要である。

 私が今まで見てきた上司の中で、最も結果を出させるのがうまかった人の例を挙げよう。

 その上司は、自部署の仕事の中で最も短期間で結果が見えやすく、かつ一緒に仕事をする人に感謝されやすい仕事を必ずといって新しい人に依頼するのだ。

 例えば、今まで誰も手をつけていなかったその部署の全業務のマニュアル化、仕組み化を依頼したりする。一見地味に見えるが、その部署の多くの人にヒアリングをしないといけないので、必然的に同僚とコミュニケーションを取ることになる。

 また、ヒアリングやマニュアル化を通してその部署の業務を把握することはもちろん、矛盾している点や非効率な点に気付きやすい。

 マニュアル化、仕組み化をするだけでもその部署の人は助かるし、確実に結果として残るものになり、うまくいけば非効率な点の改善まで行える。

 このように比較的短期間で目に見えやすく、かつ周囲にも認められやすい仕事を任せられるかというのも上司の力量である。

ビジネスパーソン人生を決めてしまう
「1人目の上司」の重要性

 もし読者が経営陣であれば、新入社員のメンターや上司には「結果の出し方をわかっている人」かつ「それを教えられる人」をアサインしてあげてほしい。

 野村證券が全社を挙げて行った有名な調査がある。出世が早かったり高い評価を得ていたりする人の共通点を調べたところ、相関があったのはたった1点だったそうだ。その1点とは、「入社後、最初についた上司が優秀だったか」だったらしい。

 つまりそれだけ最初の上司や先輩が、結果の出し方をインストールしてあげられるかで変わってくる。

 それくらい一人のビジネスパーソンの人生を決めてしまう可能性があるのが、1人目の上司であり先輩だ。だからこそ成長やマインドといった言葉に逃げずに「結果を出す」ことに一緒に向き合い、それをなるべく早く、そして再現性のある形にすることにフォーカスすべきなのだと思う。