「これは、スギ花粉とアレルギー反応の原因となるIgE(免疫グロブリンE)が結合するのをブロックし、アレルギー物質であるヒスタミンなどの放出を防ぐ根本的な療法で、2週間か4週間ごとに皮下注射が行われます」

 こちらも、舌下免疫療法と同じく、ヒノキ花粉に対して一定の効果がある。しかし、注射する頻度や量には症状の程度によって個人差があり、保険適用ではあっても費用が高くなることがあること、どの医療施設でもこの療法を受けられるわけではないことなどに注意が必要だ。

「また、研究中のものには、スギのタンパクが体の中にできて異物として認識するのを阻害するLAMPワクチンなどがあります。特定のタンパク質に対して免疫応答を活性化させる、アレルギーやがん免疫など幅広い疾患領域に応用可能な次世代型DNAワクチンですが、まだ研究段階であり、“将来的”といえる治療法です」

症状はこのまま一生続くのか…
自然治癒の可能性は?

 このように花粉症の根本的な治療には課題も多いが、わずかではあるが何もしなくても治ったという人もいる。それはなぜだろうか。

「前述のように、花粉症は花粉(抗原)が体内に侵入したときに体が異物と認識して抗体(IgE抗体)を作って防御反応を起こすことで発症します。このように自然に治癒するのは、体が抗体を作らなくなったり、環境が変わったことで免疫変化が起こったりした可能性があります。

 また、加齢による免疫系の衰えによって花粉の抗原を異物として認識しなくなり、アレルギー反応が起こりにくくなることもよくある。

 自然治癒する例があるとはいうものの、それはごくまれなこと。花粉症の人が症状を悪化させないために気をつけるべきことは何だろうか。