「真面目に仕事をしているのに、なぜか上司に評価されない…!」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

職場で出世しない人は「1日でできます!」と言う。出世する人は、なんと言っている?Photo: Adobe Stock

「1日でできます!」と言う人は出世しない

皆さんは職場で上司や同僚から仕事を受けることがあると思います。その時、どのように伝えていますか?
例えば次のような伝え方をしていないでしょうか。

「1日でできます」

実はこれは「すぐその日に対応する仕事ができる人」風に見えて、実はリスキーな伝え方です。特にこの伝え方は、誰からも指摘されないのに、こっそり評価だけが下がってしまう「サイレント減点」されかねない危険な言い回しを含んでいます。今回は、その理由について紹介していきましょう。

「1日」の定義は人によって違う

では、ここで質問です。そもそもですが、皆さんは「1日でできます」と言われたら、一体いつを想像するでしょうか。考えてみてください。

例えば、次のような考え方が挙げられます。

A:その日の定時まで(例えば17時まで)
B:その日の24時まで
C:その人が「翌日の朝出社したとき」まで

いかがでしょうか。ABCいずれも、解釈によっては「1日」に入る範囲ですよね。皆さんはいずれを思い浮かべたでしょうか。きっと、人によって違うのではないでしょうか。

「期待値のズレ」でサイレント減点される

ここで気をつけるべきは、相手との期待値のズレです。

例えば、あなたにとっての「1日でできます」がCを意味していたにもかかわらず、相手にとっての「1日でできます」が、Aの意味だったとしたらどうでしょうか。あなたはその人にとって「自分で言った締め切りを守らない人」という評価になってしまいます。あなたが期限を守ったにもかかわらず、です。

これではせっかくあなたがスケジュール通りに進めたのに、評価だけが下がってしまうという意味のわからない悲劇=サイレント減点が発生してしまいます。

ではどうすれば良いのか。答えはABCそれぞれのように、時間を具体的に指定することです。このようにすれば、こっそり評価が下がることもなくなります。同じ仕事をしていてもあなたの伝え方1つで相手からの評価はここまで変わります。こういったところで余計な損をしないように注意することが、出世の秘訣の一つです。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)