若い人との共演で気をつけていること
「自分にないものを取り入れて、僕もまた一花咲かせよう」

――舞台では、吉田さんはよく若い俳優に発声の仕方などを伝授していました。例えば舞台経験の少ない時代の小栗旬さんなどに。ドラマの現場でも「こういうふうに芝居したら」というようなアドバイスはしますか。

 全然言わないです。最近の若い世代の演技スタイルは、僕らの世代とは違うと感じています。例えば、僕らはとても大きな声を出すことで感情を表していました。いや、それは僕だけかもしれませんが(笑)。

 いまの若い方々は、声を荒げることなく、喜怒哀楽をちゃんと表現できています。20代でそこまでできる?とびっくりするばかりです。そのうえ滑舌もいい。俳優にとって滑舌が絶対必要な条件ですから、僕は練習を重ねて身につけてきましたが、若い俳優さんたちも練習もしているのでしょうけれど、先天的に滑舌もいいし、声も通る。

 僕のほうが色々学ぶことが本当に多いです。自分にないものを取り入れて、僕もまた一花咲かせようと思っているところです(笑)。

――吉田さんが、朝ドラにはじめて出演したのは『花子とアン』(2014年度前期)でした。そのときは、主人公・花子(吉高由里子)の親友・蓮子(仲間由紀恵)の夫役で、亭主関白の敵役のような存在にもかかわらず、彼なりの言い分みたいなものを吉田さんが滲ませて、とても人気が出ました。

『花子とアン』で、いわゆるブレイクというものをさせていただいたので、今回、恩返しというか、僕が出ることによって盛り上がりに寄与できればと思っています。

 脚本の中園ミホさん、チーフディレクターの柳川強さんと、ディレクターのひとりの橋爪紳一朗さんは『花子とアン』と同じチームなんです。