やなせ作品のモチーフに気付くたびに
「鳥肌が立つような思い」になる
――戦争の時代になると、どんどん周りの若者が死んでいって、お年寄りが生き残る。釜次としては何を感じながら生きていると思って演じていますか。
戦争という状況下、どんなに辛くても、歯を食いしばって耐えなければいけない。そういう時代なんですよね。だから釜次も我慢しています。
――お父さん代わりになろうという感情は釜次にはありますか。
それは多分あると思います。たださっきも言ったように、羽多子さんがものすごくしっかりしているので、丸投げして、気楽に過ごしているところもあると思います。
――『アンパンマン』に親しんだ経験はありますか。
娘が『アンパンマン』を見るので、一緒に見ていると、世界に誇れる上質な作品だと感じます。いま、放送しているものはやなせたかしさんが亡くなってからの制作でしょうけれど、魂がちゃんと受け継がれていることを感じます。
『あんぱん』も随所にやなせさんの作品がモチーフになっていて、それに気付くたびに鳥肌が立つような思いになります。ドラマがこれからどうなっていくのか僕自身、本当に楽しみです。
よしだ こうたろう/1959年東京都生まれ。俳優、演出家。シェイクスピア俳優として舞台でキャリアを積み、劇団で演出も行う。14年、朝ドラ『花子とアン』で注目され、映像作品にも出演が増えた。『おっさんずラブ』『おいハンサム!!』、大河ドラマ『麒麟がくる』などがある。『所さん!事件ですよ』のナレーションをつとめている。5月から藤原竜也主演『マクベス』を演出、出演。 写真提供:NHK








