演劇畑出身の阿部サダヲさんほか共演者との絡み
「いろいろ仕掛けると、だんだんと応えてくれるようになってきた」
――かまめしどん的な役割の釜次をはじめとして、ヤムおんちゃん(阿部サダヲ)はジャムおじさん。ほか、桂万平(小倉蒼蛙)がカツドンマン、天宝和尚(斉藤暁)はてんどんまんを思わせます。
登場人物がそれぞれ『アンパンマン』のキャラクターを思わせるように書かれていますよね。
――皆さんとの共演はいかがですか。
阿部サダヲさんは演劇畑であることを全然表に出さない方なんですが、僕がいろいろ仕掛けていくと、だんだんと応えてくれるようになってきた気が勝手にしています。阿部さんの方から仕掛けてくれるようにもなってきて。打てば何倍にも響く俳優さんなので、もっと阿部さんと絡むシーンがあるといいなと願っています。
カツドンマンとてんどんまんのふたりも面白いです。ドラマがあまりにもいい話になりすぎないように、阿部さんも含め、僕らがちょっとおもしろい方向を担うことを期待されているのかなと思っています。
また、昔と比べて今はコンプライアンスを意識して表現を考えるケースも増えています。
釜次はテレビドラマ『寺内貫太郎一家』(1974年)で小林亜星さんが演じた頑固親父のイメージがあるそうなのですが、当時のようにちゃぶ台をひっくり返したり、息子を投げ飛ばしたりするような激しい動きはできないです。朝のドラマでもありますから、さじ加減が必要ですね。
――愉快なシーンもありますが、第1週でいきなり息子・結太郎(加瀬亮)を亡くしたときは深い悲しみが伝わってきました。
自分の我が子に先立たれる。絶対に自分の一生に起こってほしくないことのひとつですよね。釜次は、息子だけでなく、これからもいろいろな人の死に目に遭うんです。そういう時の嘆きの演技は難しい。相手によってそれぞれ違う悲しみがあるでしょうから、同じにならないようにしたいと思っています。