「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

大屋根リングの「61,035.55㎡」。どれくらい?
2025年の大阪万博、会場のシンボル「大屋根リング」がニュースになっていますね。この巨大な建築物は、その面積がなんと61,035.55㎡で、世界最大級の木造建築としてギネス記録にも認定されています。
しかし、この「61,035.55㎡」という数字だけを聞いても、具体的な広さがイメージしにくい方も多いのではないでしょうか。
そこで、身近な建物と「くらべる」と一気にイメージしやすくなりますよ。今回は、数字に強い人がやっている「数字のとらえ方」について、紹介していきましょう。
身近な具体例で数字をとらえなおす
例えば、東京ドームの建築面積は約47,000㎡ですから、大屋根リングはそれよりも大きいことになります。
また、別の例で言えば、東京スカイツリーのタワー部分と街区部分を合わせた面積が約36,900㎡ですから、大屋根リングはその1.6倍の広さですね。
こんな方法もあります。イメージができるような数字に変換、「ちいさくする」のです。
「61,035.55㎡」という面積を正方形に置き換えてみます。だいたい61,000㎡ですね。平方根を取ると、一辺の長さは約247mになります。つまり、約250m四方の正方形をイメージすればよいのです。これは、短距離走のトラック(トラック1本=100m)が2.5本分くらいの長さになりますから、かなり巨大な建築物であることが感覚的にもわかりやすくなるでしょう。
数字に強い人は「くらべる」「ちいさくする」
こうした「くらべる」「ちいさくする」テクニックを用いれば、数字を自分がわかる単位に変換できるので、数字に強い人に近づくでしょう。
数字に強い人は、ただ大きな数字に圧倒されるのではなく、身近なものと比較したり、スケール感を掴むために小さくしようとします。
逆に数字に弱い人は、約「6万㎡」という数字だけに圧倒され、「すごいけど、よく分からない」と考えるのをやめてしまうかもしれません。
大阪万博を訪れる前に、この「大屋根リング」の規模感を自分なりにしっかりとイメージしておけば、実際に足を踏み入れたときの感動や理解度がグッと深まりますね。数字に強くなるには、小さな工夫と意識が大切です。
(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)