東大出てお笑い始めるなんて、ネジがぶっ飛んでますよ
西堀:M-1って、1万組がエントリーするじゃないですか。コンビだからざっくり2万人です。16年後、それが140組(THE SECONDのエントリー数)、280人になっているんですよ。世の中はお笑いをやめた人で溢れているんです。それなのにTHE SECONDで、俺らも「初めまして」の人がいるんですよ。大げさじゃなくて、半分(のコンビ)は存在を知らなかった。これだけの人がお笑いを続けているんだって。
滝沢:けれど最近、高学歴芸人がどんどん出てきてるじゃないですか。ナイツの土屋(伸之)君とも話してたんですけど、「頭のいい人が本気になったら完全に負けちゃうよね」って。僕らの頃は、顔もカッコよくない、ギターも弾けなかったらお笑いしかないみたいな、お笑いなんて頭おかしい人のやることで。いまの若い人が東大出てお笑い始めるなんて、ネジがぶっ飛んでますよ。ほんともったいない。最近はマネージャーも高学歴だったりするもんなあ。お笑いなんて儲かるか儲からないかも全然わからないのになあ。
――若い世代は、M-1みたいな市民権を得たビジネスパッケージができたあとにお笑いを見て育ってきているから、お笑いを始める動機が変わったというのはありそうですよね。
滝沢:YouTubeにしても何にしても、若いうちからどんどんテレビなり、人の目に触れる機会がありますよね。いまの子たち、羨ましいですね。

――マシンガンズさんはそういう時代じゃなかった芸人さんですけど、長く続けてきたことに後悔なんて微塵もなかった、楽しかったとおっしゃるのがすごく救われます。
西堀:あのね、うずくまるぐらい笑うことってあります? 我々ね、芸人仲間と飲むでしょ、泣くぐらい面白いことがあるんです。年収が1億だろうが1000万円だろうが100万円だろうが、もうあまり関係ないんです。安い店で、何が入っているかわからない酎ハイを飲んで、何の肉かわからない肉を食べて。我々はそういうところが子どもなのかもしれないけれど、テーブルから上がれないくらい笑う。それに勝ることって、ありますかね?
(第3回に続く)