「いまの時代、ここまで忖度なしに書かれた本はない」
新年度を迎え、そんな声が多数寄せられているのが、書籍『ベンチャーの作法 -「結果がすべて」の世界で速さと成果を両取りする仕事術』です。
転職エージェント「キープレイヤーズ」代表の高野秀敏さんが、1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援の経験で見てきた、「結果を出す人の働き方」をまとめました。“きれいごと”抜きの仕事論に、「結局、すべての仕事で大事なのってコレだよね」と、社員や経営者、ベンチャーや大企業を問わず、共感する人が続出する異例の反響となっています。
この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「転職タイミングの考え方」をお伝えします。

「去年より成長」で安心してはいけない
以前はイケイケムードだった会社も、業績が伸び悩み始めたら転職を考えてもいいかもしれません。
前年対比で98%になった、というレベルの話ではありません。成長率が150%から120%になったレベルでも伸び悩みと言えます。
「え、充分に伸びてるじゃん?」
そう思ったかもしれませんね。
未上場の大手企業が「成長率は120%でした」と言うならすごいですが、ベンチャーだと「これはきついな……」と、投資家である私は考えてしまいます。
130%成長という「死」
私がいた当時のインテリジェンスには、「とにかく成長しなきゃいけない!」という雰囲気がありました。
今でも覚えているのが、入社3年目で迎えた2002年です。2000年のITバブルの崩壊、2001年のアメリカ同時多発テロの影響を受け、この2002年は不景気で業績を伸ばすのがとにかく難しかったのです。
それでも、インテリジェンスは前年対比で30%台の成長をしていました。
ですが社内には、「目標が達成できない」「自分たちは完全に終わった」という雰囲気が流れていました。
他の会社から転職してきた人からは、こんなに不景気なのに30%台で成長しているのはすごいことだよと言われましたが、それまでは毎年、倍、倍と伸ばしてきた感覚からすると、30%成長はもはや「成長が止まった」という感覚でした。
それくらい、ベンチャーは圧倒的な成長を続けていかないといけない世界なのです。
「140%成長」を下回ったら、危険信号
当然、売上が数十億円以上と伸びていくと成長率は鈍化します。
ですが私が株式マーケットを見ているかぎり、それでもできれば毎年140%くらいは成長しているのが健全な状態です。
成長率が30%未満の会社は、もうほとんど株価が上がらなくなります。
もちろん企業の将来性を測るのは売上だけではありませんが、株価に対する大事な指標ではあり、投資家の期待値を左右する大きな要素であることはたしかなのです。
(本稿は、書籍『ベンチャーの作法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。書籍では「結果を出す人のキャリアの築き方」を多数紹介しています。)