別荘地を買っただけで利用できずに放置している人、実際に別荘を作って、一時は利用していたが、その後利用しなくなっている人、運転免許証を返納したので簡単にいけなくなってしまった別荘の様子が気になる人、等々だ。
こうした土地には、利用しなくても、固定資産税が掛かる。それに加え、管理組合から管理費や修繕積立金の請求がくる。固定資産税と管理費だけで年間100万円以上になる場合も多い。
温泉を引いてあって、月額数万円の利用料や配管洗浄費などの負担がある場合もある。
こうしたコストを、今後いつまでも支払い続けなければならない。子供に相続すれば、子供が負担することになる。家族の誰も使わないのに、負担だけがかかる。
それだけでない。雑草が敷地に入ってくるので除草してほしいとの苦情が隣地からくる場合もある。見積りを取れば、相当な額になることも多い。
こうして、「昔買った別荘地をタダでもいいから手放したい」という人が、多数いる。タダなら手放せるだろうと思ってしまうが、タダでは、仲介手数料がないため、業者が扱ってくれない。業者に特別にお金を渡して処分してもらうことになる。
最近では、土地活用の管理会社などを名乗る業者から「別荘地を売りませんか」とか、「欲しい人がいる」などと連絡が来て、「広告を掲載すれば、半年以内に必ず土地は売れる」とし広告料などをだまし取る手口も出てきているようだ。
他力本願であることが問題
投資をするなら自分自身に
以上の教訓は、「皆が同じ方向に走り出したら、警戒が必要」ということだ。
こうした考えに対して、「以上で述べたのは不動産であって、株式ならこうした事態にはならない。最悪の場合、ゼロになるだけだ」との意見があるかもしれない。
しかし、自分の努力でなく、株価の値上がりで儲けようという点では、地価の上昇で儲けようというのと同じ発想だ。
株式投資とは、基本的には、他人がやっている事業に期待することだ。自分は資金を提供するだけで事業には貢献せずに、そのおすそ分けをもらうという行為だ。それによって儲ける人も中にはいる。しかし、全ての人が儲けられるはずがない。他人の努力に依存して儲けるのは、基本的には難しいと考える必要がある。