女性管理職が毅然とした態度で改革を先導すると、社内で風あたりが強くなる。「たとえ反対されてもやり抜く」という覚悟で組織再編を成し遂げ成果を出したものの、男性中心カルチャーからの抵抗もまた厳しいものだった。

山田さんを後押しする
2人のロールモデル

 前田産業ホテルズは、現在女性社員が約4割を占める一方、女性管理職は約1割。沖縄の女性管理職比率16%に比べると、高い水準とはいえない。

 山田さん自身は、前田裕子会長や、元総支配人の福澤奈美さん(54歳、現在は名護市議会議員)の姿を追ってきた。2人は子育てしながら働き続けたロールモデルでもある。

 福澤さんは40代で2人目、3人目の子どもを出産し、2年続けて育児休業を取得。社内の育休取得第1号であり、女性課長第1号でもあった。

 部下が保育園のお迎えに間に合いそうにないとみるや、かわりにお迎えをかって出る、福澤さんのそんな姿をみてきた。

 前田会長からは「あと10年もしたら、もっと楽しくなる。(職場を)変えていくこともできる」と励まされてきた。

「私はもっと上を目指したい」と迷いなく言えるのも、こうした後押しのおかげだろう。