「頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが20万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

「合わない人」の3つのパターン
仕事をしていると、どうしても『この人、合わないなあ』と感じることってありますよね。
同じ部署にいる以上、一緒に働かざるを得ない。
「そんなとき、どうしたらよいのでしょうか?」という質問をいただきました。
職場では、人と人との相性が合わないことが多々あります。
その場合、いくつかのパターンが考えられます。
第一に「間(ま)が合わない」というパターンです。
たとえば、「すみません、この資料もらっていいですか?」と言ってから、「はい……あ、え?」と返事があるような、妙な間やテンポがずれている場合です。
こうした間の合わなさがあると、仕事上のコミュニケーションが非常に取りづらくなります。
次に、『感情が合わない』というケースです。
例えば、「これ、すごくない?」と興奮して共有したときに、「ああ、はい」と冷静に返されたら、「えっ、嘘でしょ?」と感じてしまいますよね。
こちらは共感してほしいのに、それが伝わらない。
共感のズレや温度差があると、人との間にギャップを感じてしまいます。
これはあくまでも私の主観ですが、三つ目は「仕事への向き合い方が合わない」ということです。
たとえば、「お客様が喜んでくれた!嬉しいよね?」というと、「いや、僕はお金のためにやってるんで。早く仕事終わらせて帰りたいです」と返されるとします。
そういうふうに、仕事に対する価値観や姿勢が違うと、人と人との間に距離ができてしまいます。
もちろん、これ以外にもさまざまな要素があると思いますが、こうした相手に出会ったとき、「なんか合わないなあ」「やりづらいなあ」と感じることは、誰にでもあるでしょう。
では、そういう人たちとどうやって一緒に仕事をしていけばよいのでしょうか?
中には、「ドライな関係性のままでいいんじゃない?」という意見もあります。
実は、それで構わないのです。
ここで一番大切なのは、『相手にこうしてほしい』という気持ちを押し付けないことです。
たとえば、「もっとテンポよく話してよ」とか、「今のところは笑うべきでしょ?」などと、相手に自分の感覚を強要してはいけません。
また、仕事に対する向き合い方についても同様です。
「仕事はもっと熱量を持ってやるべきだ!」というのは、あくまで個人の価値観であって、他人に押し付けてはいけません。
企業のビジョンはあるにせよ、大企業にはさまざまな人が入ってきます。
全員がそのビジョンに共感して入社しているとは限らないわけです。
つまり、育った環境や価値観が異なる人が集まっているからこそ、ズレは必ず生まれます。
そのようななかで『こうあるべき』という思いを同僚に押し付けることは絶対に避けるべきです。
これをしてしまうと、常にギャップが生まれ、摩擦が起きます。
「もっとテンポよくやってほしい」「今は笑うべきところでしょ」などというのは、仕事の本質とは関係のない部分ですよね。
こういったことを強制しないことが重要です。
では、自分が上司で、部下をマネジメントしなければならず、なおかつその部下と合わない場合はどうしたらよいでしょうか?
これも同じです。
こういったズレを変えるのは非常に難しいことです。
なぜなら、それはその人の特性だからです。
ただし、上司としては、能力に関しては改善を求めることができます。
「こういう風にしてほしい」と具体的に伝えることは必要です。
ですが、例えば間がずれている人に対して、「今のところは笑うべきだろ!」と指摘したり、「わからなかったじゃないだろ!」というふうに、感情的に詰めるのはよくありません。
こうした感覚的な部分と、業務遂行上の能力とを混同してしまうと、相手は非常に強いストレスを感じることになります。
仕事というのは、あくまでも会社が利益を上げるために、人々が集まって行うものです。
そしてその利益を上げるためには、お客様にサービスを提供して、喜んでもらうことが最も重要です。
これができれば問題ありません。
ですから、それ以外の部分――たとえば「こうあるべき」「こうしてほしい」といった自分の理想を相手に押し付けることは避けなければなりません。
上司自身も苦しくなりますし、部下にとっても非常に負担となります。
ですので、まずは「相手にこうしてほしい」という思いを押し付けないこと。
これが一番大切です。
こうした考え方をもっていれば、さまざまなタイプの人とうまく付き合っていけるようになります。
ぜひ、試してみてください。
(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者、西原亮氏が特別に書き下ろしたものです)