もちろん人は、自分の欲求の本質部分まで自分で理解できていないことも多いでしょうから、そこは雑談しながら徐々に探っていくような姿勢が大事になってきます。上に並べた「理由たち」も、1つだけでなく色々な欲求がごちゃまぜになって存在している可能性が高いです。
「クリエイティブな解決策」
を見い出す方法とは?
こうやって「相手の言っていること=沖縄」でなく「相手の意見の存在意義」まで踏み込んで理解していけば、そこに自分の側の欲求を通していく余地が生まれます。
例えばこの例でいえば……
「別に海じゃなくても、非日常的空間でぼーっとできる時間がほしい」
→「なるほどね!じゃあ海じゃないのはゴメンなんだけど、実は行ってみたい山奥の秘湯があってさ、このウェブサイト見てほしいんだけど、超非日常空間で頭空っぽにできるスポットとして有名で……」
「ベタな観光地!って感じでなくてもいいから、綺麗な海で泳ぎたい」
→「なるほどね!実はさ、知り合いで千葉の外房に別荘持ってるヤツがいるんだけど、沖縄と違って結構空いてるわりに海が綺麗らしくて、おしゃれなカフェやホテルも最近増えてるらしくてさ……」
「人に羨ましがられるようなインスタ映えする散財をしたい」
→「なるほどね!実は前から行ってみたかったリゾート施設があって、沖縄じゃないんだけど、こういう写真とかこういう写真とか、めっちゃインスタ映えする体験が沢山できて……」
……こういう感じで、相手の「言っていること」ではなくて、相手の意見の「存在意義」を深く知れば知るほど、自分の望みも相手の望みも両方のせられる「クリエイティブな解決策」を見いだしていけるのがわかるでしょうか。
1回だけの提案だけでは相手の望みの芯を捉えられないとしても、いろんな提案をぶつけてみて相手の反応の上がり下がりを観察していけば、どんどん精度を上げていくことができます。
そのプロセスでは、自分ひとりで考えていたのでは決してたどり着けなかった、思いも寄らない新しい発想に出会っていけるはずですし、それでこそ、2人で何かする意味が生まれるというものです。そういうクリエイティブな第3の道を具体的に工夫していけば、どちら側の正義も抑圧されずに済みますよね。