RADWIMPSの主題歌『賜物』
1年近い制作期間を擁した異例

――RADWIMPSの主題歌『賜物』についてはいかがですか。

 今までの朝ドラの主題歌のイメージにとらわれずにチャレンジしてほしいし、彼らもチャレンジしたいという話をして、最終的に生まれたのが『賜物』です。

 RADWIMPSさんの並々ならぬ思い入れを感じる曲です。

 まず、台本のみならず、やなせさんに関するあらゆる資料をお渡しし、それを見たうえで作詞作曲をしてもらいました。何度もディスカッションした結果、やなせさんと暢さんについて相当深いところまで掘り下げようというのが、共通認識に達しました。

 そうして誕生した『賜物』には『生命力』が表現されています。やなせさんはもちろんのこと、主人公のぶの疾走感や生命力、突破力が。

「妻夫木聡さんが凄まじいお芝居で…」もはや朝ドラを超えた?『あんぱん』制作統括が明かす“戦争パートの完成度”くらさき・けん/ドラマプロデューサー。京都府出身。連続テレビ小説「あんぱん」「おかえりモネ」「エール」、よるドラ「ここは今から倫理です。」、特集ドラマ「ももさんと7人のパパゲーノ」、太平洋戦争80年・特集ドラマ「倫敦ノ山本五十六」、大河ドラマ「いだてん」「平清盛」、山形発地域ドラマ「私の青おに」、「世界から猫が消えたなら」など多数担当。

 また、野田洋次郎さん(RADWIMPS)は、朝、目が覚めるものともおっしゃっていました。

 1年近く向き合って、粘りに粘って作ってくださり、彼らとしてもこれだけ1曲に時間と労力と気持ちを費やしたのは初めてですとおっしゃるほど、思い入れを強くもって、向き合ってくださった曲です。

 ただ、朝ドラのなかでは90秒と70秒バージョンしか主題歌が流れないのでフルバージョンも皆さんには聞いていただきたいし、歌詞も受け取っていただきたいです。

 そこに『あんぱん』で描こうとしている、たった一度きりの人生、全員に平等に与えられた命をどう生きていくかという普遍的なテーマが綴られています。

初回から読む>>「これは泣くわ…」RADWIMPS×今田美桜のタイトルバックが刺さりすぎる【あんぱん第1回】