
史実とオリジナルのバランスは?
やなせ夫妻の幼少期を描くため「はちきんおのぶ」誕生
――戦争に限ったことではなく、朝は重いドラマを見たくないという声もありますが。
朝8時という放送時間帯に見るには重いと受け取る方もいらっしゃるかもしれませんが、チームで覚悟を決めて1年以上前からやっていますし、いまは、NHKプラスの配信やオンデマンドでも朝でも昼でも夕方でも夜でもいろんな時間に見ていただけます。視聴者の皆さんがそれぞれのライフスタイルに合わせて都合の良い時間に、しっかりとドラマを受け止めていただければと思います。
――史実では、やなせたかしさんと暢さんは終戦後、高知新聞社で出会います。今後、史実とオリジナルのバランスはどのようになっていく予定でしょうか。
中園ミホさんもおっしゃっていましたが、やなせたかしさんの幼少期を描かないと、やなせ夫妻を描いたことにはならないと僕も思っていました。つまり、史実通り、高知新聞社でのぶと嵩が出会ったところから描き始めたら、この企画をやる意味がない。
そのため、2人を幼なじみにして、ふたりの幼少期から描くことを選択しました。のぶのモデル暢さんは足が速く快活でもあったことから『はちきんおのぶ』と呼ばれていたそうなので、キャラクターとして生かしました。
高知新聞社に入社する前の暢さんの資料はほとんど残っていなくて、そこを中園さんの創作性を生かして描いていく覚悟をチームで決めたというわけです。ただ、高知新聞社に入社してからは、資料が少なからずあるので、基本的には史実に忠実に描いていく予定です。
前半に出てきた、シーソーや、登美子が去っていく時の白いパラレルなど、やなせさんが描いたイラストを参考にしてビジュアルを作っています。
