「人生が確変モードに入る人」だけが知っている、たった1つの戦略とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。数々の成功者に接し、自らの体験も体系化し、「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。
コロナ後の生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。
『ゆるストイック』では、新しい時代に突入しつつある今、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、「私自身が深掘りし、自分なりにスッキリ整理できたプロセスを、読者のみなさんに共有したいと思っています」と語っている。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「ストイックさ」と「ゆるさ」
多様な働き方が進む中、世の中は、「やる気のない人に関わるのはコスパが悪い」という事実に気づき、無気力な人々に時間を割かなくなりました。
その事実に本人が気づくことは、さらに難しいことです。
なぜなら、指摘してくれる人がもう誰もいないからです。
だからこそ、今の時代においては、「自分を律するストイックさ」と、他人と違う考えを許容し干渉しない「寛容さ(ゆるさ)」という、相反するような価値観を同時に持つことが強さに直結する。そのように感じています。
そして、自分で決めたことを淡々とやること。その上で役に立つ、もう一つのキーワードがあります。それが、「ニッチ」です。
「ニッチ」はデジタル空間で活きる
「ニッチ」というと、どんな印象を持つでしょうか。
小さな隙間で、非効率に活動している。
そんな誤解があるかもしれません。
しかし、物理的な制約がない「ネット空間」では、事情が大きく異なります。
現実世界では、物理的な空間が限られているため、ニッチな商品やサービスは非効率になりがちです。
店頭の目立つ場所には、多くの人が手に取りやすい商品を優先的に並べざるを得ません。
雑誌やテレビのように「枠」が決まっているメディアでも、幅広い層に受け入れられるコンテンツに紙面や尺を割り当てることが求められます。
ニッチなものは往々にしてこうした「枠」から外れやすく、物理空間では採算が合いにくくなるのです。
しかし、デジタル上では時間と空間の制約がありません。
どれだけニッチなコンテンツでも問題はありません。
ニッチであっても、世界中から同じ興味を持つ人々が集まれば、大きな市場を生み出すことが可能です。
また、デジタル空間では維持コストが物理空間に比べて圧倒的に安いため、小規模であっても十分に採算が取れるようになります。
その結果、デジタル空間では、現実世界では成り立たなかったニッチも成り立つようになります。
そうして、他と一線を画した個性を持つ人たちが活躍しやすくなっていくのです。
自分がどんな狭い分野の専門家であるかを理解し、そこに集中して「ゆるストイック」に取り組んでいきましょう。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)を上梓した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。