長距離乗っても快適、快適
雨は静岡を過ぎても止まず、浜松に差しかかってもフロントガラスに細かい水滴が付いてくる。ヘビースモーカーのAD高橋氏。彼は一定の時間が過ぎると思考力が低下し、指先が震え出し、言葉使いが乱暴になる。所謂「ヤニ切れ」症状が出てくるのだ。加えて不肖フェルは加齢による頻尿である。途中、何度かヤニ&トイレ休憩を挟む。
刈谷ハイウェイオアシスで朝食を取り運転を交代し、以降は私がステアリングを握る。合流でアクセルを踏み込む。“鋭い加速”と言うよりも“力強い加速”と表現するべきだろう。大人2人に60kgの荷物など、このクルマには空荷も同然だ。

伊勢湾岸に入る頃には雲が切れ、空の一部に青が見え始めた。
名神高速に入り、交通量が増してもベルランゴの走行安定性は揺るがない。足まわりはやや柔らかでロールが大きい。それでいてしっかりと芯がある。路面の継ぎ目や補修跡も上品にいなしていく。シートは及第点。これだけの長距離移動で尻が痛くならないのだから大したものだ。神戸JCTを経て明石海峡大橋へ。横風が強い。車高は1850mm。さすがに“不安感がない程度の”横風の影響を受ける。
ここまでは順調だった。何の問題もなかった。
あれ?ウィンカーが点かない……

淡路サービスエリアに入った。コンビニで肉まんとあんまんを買い、コーヒーを飲んだ。ここには全高65メートルの大観覧車があり、明石海峡大橋や神戸の街並みを一望できる。2人で乗ろうかとも思ったが、一周15分もかかるというので諦めた。
再びクルマに乗った。運転は不肖フェルである。本線に合流する。問題はこれからだ。ウィンカーが点灯しない。
F:あれ?おかしいな。ウィンカーが点かない。
高:それは危ないですね。次のSAに入りましょう。エンジンを切ったら直るかもしれない。


次の小さなPAに入る。エンジンを切り、再び始動する。しかしウィンカーは点かない。もう一度エンジンを切る。クルマから下りてドアをロックし、再び解錠してエンジンをかける。でもウィンカーは作動しない。ハザードは点く。ブレーキランプも点く。ウインカーだけが点かないのだ。