高齢者には寝返りの重要性がさらに高まる

高齢で筋力が低下したり、関節を自由に動かせなくなったりすると、寝返りが思い通りに打てなくなります。

寝たきりになり自力で寝返りができなくなると、肩やお尻などに長時間圧力がかかり続けてしまい、血液循環が妨げられて褥瘡(床ずれ)が生じることもあります。

このため、寝たきりの人の介護者には、最低2時間に1度は「体位変換」が求められます。

高齢者向けの「ラクにできる寝返り練習法」

高齢でもまだ自力で寝返りが打てる人には、なるべく力を使わずに寝返りができるやり方を練習してもらうこともあります。

まず両膝を肩幅で軽く立てます。次に右脚を左脚へ、または左脚を右脚へクロスさせます。すると下半身のリードで寝返りがラクに打てるようになります。

パーフェクトな寝返りではありませんが、肩を支点とする寝返りより労力が少なくて済むのがメリットです。

寝返りの質が、眠りの質を左右する

ぐっすり眠るためには、「何時間寝たか」よりも「どれだけ質の高い眠りがとれたか」が重要です。正しい寝返りができるようになると、血流やリンパの流れがスムーズになり、身体のこわばりも軽減されます。

結果として、夜中に目が覚めにくくなり、深い眠りの時間が自然と増えていきます。

小さな工夫が、翌朝のスッキリ感を変える

就寝前に1~2分だけでも肩を支点にした寝返り膝を立てて行う寝返りを練習することで、体がその動きを覚え、眠っている間も自然と再現されるようになります。

これは、睡眠の質を高める「ちょっとした習慣」として、どなたでもすぐに始められることです。

今日からできる、快眠への第一歩

もしあなたが「毎朝スッキリ起きられない」「朝から疲れている」と感じているなら、それは寝返りがうまくできていないサインかもしれません。

今日からできる寝返りの意識と練習を取り入れて、ぜひ自分にとって本当に快適な眠りを手に入れてください。眠りが変わると、人生のパフォーマンスそのものも変わっていきます。

※本稿は『とにかくぐっすり眠りたい 老舗ふとん店の12代目がこっそり教える快眠法60』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。