「真面目に仕事をしているのに、なぜか上司に評価されない…!」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

職場で「それ、知ってます!」と言う人は出世しない。出世する人はどうしている?Photo: Adobe Stock

「それ知ってます!」は出世しない

みなさんの職場には、「教養がある」人たちがいるでしょうか。話好きな人も中にはいると思います。

この人たちが嫌うことの一つの特徴として、自分の教養を否定されることが挙げられます。要は、より強い教養でマウントされることです。高学歴の若手行員に多いのですが、あまりに賢くて何でも知っていることがかえって中小企業オーナーから嫌われてしまい、取引がなかなか取れないようなケースもみたことがあります。

職場の出世しない人は、相手の話を否定してしまったり、知っている話が来ると「それ知ってます!」と反応し返してしまうことがあります。

しかし逆に出世する人は、ここでうまく相手に喜んでもらう相づちができています。今回はそれについて、紹介しましょう。

相手を「ネガティブな感情」にしてはいけない

まずは基本的な人の性質について改めて考えてみましょう。あなたは人から褒められた時と怒られた時、どちらがポジティブな感情を抱くでしょうか。当たり前ですが褒められた時ですよね。人は第三者から認められた時や称賛された時にポジティブな感情になります。逆に、ネガティブな感情になるケースを想定してみましょう。怒られた時というのは自分を否定されることに近いです。行動そのものを咎められるわけです。これは、コミュニケーションでも同様です。

例えば、あなたが何か雑学について仕事の同僚に得意げに語った時に、同僚から「それ知ってる。」と言われたらどうでしょうか。最初は不快には感じないかもしれないですが、あなたが期待したリアクションではないと思います。また、その後にあなたの様々な教養に基づく雑学知識を披露した時に同僚から「うん、それも全部知ってる。」というリアクションだったらどうでしょうか。もうその同僚に対して雑学を披露することはしなくなると思いますし、もしかしたら交流自体を控えてしまうかもしれません。

職場の出世する人は「こっそりオチに誘導する」

仕事ができるサラリーマンはこの点を熟知しています。では、何をするのかというと、自分の知っている雑学においても、知らないフリをするのです。自分の方が深い知識を持っていたとしても、「そうなんですか! 知らなかったです!!」と白々しく嘘をつくわけです。

これを使うだけで、相手は気持ちよく話をすることができます。

また、加えてもし、オチを知っているのであれば、そこに誘導するように質問をすることができます。良くテレビショッピングで使われる「でも、お高いんでしょう?」というセリフに近いです。このセリフを使う人は当然その商品が思ったよりも安いことを知っていますが、このようなセリフを使うことで話をより盛り上げています。知らないフリというのはただ知らないことを伝えるのではなく、話者が気持ちよくなる落とし所に会話を誘導することも意味します。

職場の出世する人は、相手のことを考えて、相手を立てることができる人です。こういった点を踏まえながら、一度、周囲の人の振る舞いを見てみるとよいでしょう。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)