ズバリ、肌にとって飲酒は良くないのだろうか。

「はい、飲酒はお肌にとってメリットよりも、デメリットのほうが大きいと言えます」(慶田氏)

 ああ、できれば信じたくなかったが、やはり酒と肌は関係があったのだ。ではいったい酒の何が肌に悪影響を及ぼしているのだろう?

「飲酒はお肌にさまざまな影響を与えます。お肌の健康にとって大切なのは、睡眠、食事、排泄、運動習慣、ストレスコントロールの5つ。このうち最も重要なのが睡眠です。睡眠は肌の再生にとって欠かせないもので、睡眠の質の低下は肌荒れの原因になります。眠れないからと寝る前にお酒を飲む方がいらっしゃいますが、全くの逆効果です。寝酒はよく眠れるどころか、アルコールの覚醒作用によって、中途覚醒を招きやすくなり、睡眠の質が低下します。毎晩のように寝酒をあおっていると、お肌はボロボロになってもおかしくありません」(慶田さん)

肌荒れが気になる人は
まず1週間、寝酒をやめよう

 酒飲みならほとんどの人が経験していると思うが、寝酒をすると寝入りばなは良いが、必ずといっていいほど夜中に目が覚める。確かに酒を飲まずに寝た夜は、中途覚醒がほとんどなく、目覚めもいい。肌もつややかで、しっとりとしている。質のいい睡眠は、高価な美容液に勝るとも言える。

 若い頃ならいざ知らず、お肌の曲がり角をとうに迎えた年齢なら、寝酒による睡眠の質の低下は肌にダイレクトに悪影響を及ぼすのだろう。

「毎晩のようにお酒を飲む方で、肌荒れに悩んでいるのであれば、まずは1週間、寝酒をやめることをお勧めします。それだけで、びっくりするぐらい肌荒れは改善するはずです」(慶田氏)

 なるほど。これまでスキンケアとは無縁で、肌が荒れるに任せていた酒豪のおじさまたちにも、「まずは1週間、寝酒をやめる」というのをお勧めしたい。

「男性でも、若い世代ではスキンケアは常識になりつつあります。それよりも上の世代で、これまでスキンケアとは無縁だったという方は、基本として、洗顔、保湿、そして紫外線対策から始めてみましょう。洗顔料をよく泡立てて顔を洗い、ジェルタイプで保湿効果の高い化粧水や乳液を塗って、外で活動するときは日焼け止めも忘れずに塗るといいですね」(慶田さん)