「毎日安いお酒」ではなく
「大事な日に高いお酒」に

書影『なぜ酔っ払うと酒がうまいのか』『なぜ酔っ払うと酒がうまいのか』(日経BP)
葉石かおり 著、浅部伸一 監修

「日常的にお酒を飲むのではなく、飲むのが特別な日だと考え、お酒を買い置きしないようにして、安いお酒ではなく高いお酒を選ぶようにすれば、飲酒量は自然と減っていくでしょう。逆に、安くてアルコール度数が高いお酒は、どんどん飲めて深酒につながるので、肌にとって害悪でしかありません」(慶田氏)

 また、慶田氏は、飲酒がストレス解消になっているという人には、皮膚科のアトピー外来での治療が参考になるかもしれないと話す。

「アトピー性皮膚炎の患者さんは、ストレスがかかると皮膚をかいてしまい、症状が悪化します。それがエスカレートすると、かくこと自体がストレス解消になってしまうのです。そういう患者さんには、日記を書いてもらい、どういうときにイライラしてかきたくなるのかを明確にし、行動パターンを見直します。かきたくなったときに、かくという行動を、深呼吸したり、お茶を飲んだり、ガムをかんだり、好きなタレントさんの写真や動物などの癒やし系動画を見たり、といったほかの行動に置き換えることができれば、症状が劇的に良くなることがあります。こうした行動変容は、お酒にも応用できるのではないでしょうか」(慶田氏)

 なるほど。どんなときに酒を飲みたくなるのかを日記に書くことで可視化し、飲むという行動を別の行動に置き換えることで、ストレス解消を別の方法で行うというわけだ。

 丹精込めてつくられた酒を、ストレス解消の道具にしてしまってはもったいない。いい気分でじっくり飲みたいものだ。