慶田氏によると、AGEsによって肌のコラーゲンなどのたんぱく質が変性・劣化すると、皮膚は硬くなってハリを失い、しわやたるみ、くすみの原因になる。しかも、劣化した肌のたんぱく質は、「古くて伸びた輪ゴム」のようなイメージだという。一度そうなってしまうと、「元に戻るのは難しい」というから恐ろしい。

お酒は「ハレの日」の飲み物
意識を変えて体質改善

 慶田氏によると、美肌のためには、良質なたんぱく質やビタミンをとることも大切だが、そうした栄養をしっかりとったからといって、酒を飲み過ぎていいことにはならないという。

 また、日本酒には肌にも良いアミノ酸が豊富に含まれていると言われている。日本酒やワインに糖化を抑える効果が期待できるという研究もある。しかし、だからといって日本酒やワインをガブガブ飲み過ぎては、肌の老化が進んでしまい、本末転倒なのだ。

「飲酒が習慣化して、お酒を飲まないと1日が終わった気がしない、ストレス解消ができない、という人は、自分の考え方や行動を見直したほうがいいかもしれません」(慶田氏)

 夕方になると当たり前のように、缶ビールのプルトップを「カシュッ」と鳴らしてしまう酒飲みにとっては、頭の痛い言葉だが、惰性でだらだらと飲んでいるのであれば、この機会に見直してもいいかもしれない。

「お肌の問題だけでなく、飲み過ぎはさまざまな病気につながる恐れがあります。年齢を重ねるとだんだんお酒に弱くなり、アルコールが体に与える影響も大きくなってきます。そこで、日頃からつい飲み過ぎてしまうという方は、お酒を飲むのが日常ではなく、『特別な日』だと考えるのはどうでしょう。つまり、お酒は『ハレの日』の飲み物というわけです」(慶田氏)

 私事で恐縮だが、コロナ禍にアルコール依存症になりかけたのをきっかけに、家飲みをほぼやめてから、私にとって酒を飲む日=スペシャルデーになった。「酒を飲むのは外食時」と決めてしまえば、家ではノンアルコールビールやレモンテイストの炭酸水でも満足できるようになった気がする。