お尻から血が流れてる?
不安で震えたが採卵成功

 10日間ほど自己注射を続けて迎えた採卵手術。クリニックは、局所麻酔をして行う方針で、意識ははっきりとした状態だった。腟内を消毒し、局所麻酔の注射を打って、採卵に移る。卵巣の様子はモニターに映し出されており、卵子を見ることができた。

 針が卵巣に入る時は、思ったほど痛くはなかったが、緊張のせいか脚に力が入り、見た目にも分かるほどガクガクと震えた。看護師から、「大丈夫ですか?」「リラックスしてくださいね」と声がかかる。「は、はい」と震える声で返事するのが精一杯だった。

 モニターを見ると、卵胞が針の中にチュッと吸い込まれていく様子が映っている。「大丈夫、大丈夫、すぐ終わる」と言い聞かせ、モニターを見たり、目を瞑ったりしていた。

「一番つらかったのは、取りづらい位置の卵胞を取る時にくる痛みと、お尻付近から何か液体が流れている感覚があること。それが血なのか何なのかは分からなかったのですが、意識があるから、何か液体が流れているのは分かる。血が流れてるのかもと思うと、余計に怖くなって、めちゃくちゃ震えていました」

 採卵は15分ほどで終了。7個の卵子を凍結保存した。本当はもう少し多く凍結したかったが、費用的にも身体的にも負担が大きい。2回目の採卵も検討したが、「お守り代わりと思って、卵子凍結は1回の採卵分で終えよう」と決めた。

想像以上に難航した
結婚相談所での婚活

 卵子凍結の後、婚活に本腰を入れた。結婚相談所を通じ、見合いした数は40人近くに上る。オファーが来る相手は、会ってみようと思える人が少なく、自分から見合いを申し込み、受けてもらえたら会うということが多かった。

「結婚相手の条件にあげていたのは、関東圏在住で、年齢は30~50代、大学卒、年収500万円以上、親との同居はなしという5点。そんなに高望みはしてないと思います。ただ、良いなと思って実際に会った時、プロフィール写真とあまりに違ったり、会話が続かなかったりと、正直う~んとなる相手も多かった。でも私だって、相手からそう思われてるんだろうなって。結婚相談所での出会いって思った以上にハードルが高いなと思いました」