こんな管理職だったら、周囲も本人も幸せだと思える姿を描いてみる。さらに、管理職の働き方を変えるということも検討してみる。
田中洋子名誉教授(編集部注/筑波大学人文社会系教授)は、ドイツでは働く日数や勤務時間を各人が決められるという時間主権が浸透したことで、管理職でも時短で働く人たちが増え、ペアでマネジメントを行うという動きが起きていることを紹介しています。

タンデム方式と呼ばれるもので、2人ペアにして1つの部署の管理職という仕事を協力して担うというものです。実際に、グループウェアで情報を共有しながら、重なる日に状況を確認し、その中で懸念していること、課題になってきていることをすぐに相談し合う。
そうすると、今までであれば1人で考えて、なかなかアイデアが出なかったことや自分だけでは決断できなかったことが、相談し合う中で良いアイデアや解決策が出てくる、決断して動くスピードも速くなる。自分だけで抱え込む責任から解放されて、より良い考え、選択ができるようになり、スピードも創造性も高まっているというのです。
管理職も一緒に働く仲間の1人です。しかも、誰かがうまくいかないときに、どうにかしてうまくいくようにガイドし、フォローしていく人たちです。その人たちが孤立し、疲弊していたら、逆にあきらめて機能しなくなったら、それは組織全体に影響を与えてしまう。だから、みんなで組織がうまく動く方法を考えてほしいのです。ぜひ、管理職とメンバーがともにイキイキと働ける組織運営、マネジメントのあり方を対話してみてください。