英語で当意即妙に回答した宮澤喜一氏
答えは、第78代内閣総理大臣(1991年11月5日~1993年8月9日)を務めた宮澤喜一(1919年~2007年)氏です。宮澤氏は海外メディアからのインタビューで時に厳しい質問を浴びせられても、英語で当意即妙に回答したことで知られています。
その英語歴を振り返ると、旧制高校でラテン語を学び、語学に対する基礎体力を養った上で、東大法学部を経て大蔵省に入省。戦後直後の混乱期にGHQとの折衝やワシントン出張で実践的な英語力を身に付けました。議員になってからも議員会館の食堂やロビー、議場でも常に英字紙誌を読んでいたそうです。まさに、努力を怠らず継続していたわけですね。
さて、日本の政治家が英語で発信する際には、「何を言うか」に加えて「どう伝えるか」が極めて重要になります。特に外交の舞台では、言葉の選び方が相手国への敬意や配慮を表すことになり、内外からの評価に直結すると言えるでしょう。
その意味で、成功事例と称される日本の政治家の英語スピーチがあります。安倍晋三(1954年~2022年)氏が2015年4月29日に米議会上下両院合同会議で行った「Toward an Alliance of Hope」(希望の同盟に向けて)というスピーチです。

このスピーチは、日米が第二次世界大戦を踏まえた上で、自由や民主主義、法の支配などの価値観を共有し、未来志向の同盟関係であることを訴えかけるものでした。終了後は、両院の議員が総立ちで拍手喝采が鳴り止みませんでした。
このスピーチが成功した理由は明確です。まず、安倍氏は手に持った原稿に適切なタイミングで目を落としながらスピーチをしたこと。迂闊にアドリブを入れることはなく、不適切な表現はありませんでした。