ぜひ報道してほしいと思っていても、裁判所は弁護団のように記者クラブに赴いて、「明日の判決はすごく面白いから、ぜひ法廷に来てね」と事前に予告することはできません。ですので、せっかくの判決なのに、誰も注目してくれなかった……などと残念に思うこともあるのです。
目立ちたがるのもまた人間
裁判官にもあるスター願望
判決などで目立たない地味な人生を送るようにしている裁判官がかなりいて1つの傾向を成している一方で、一部の裁判官が判決などでスター気分を味わいたいというのは、これとは相反する考え方だと思います。むしろ世間で目立ってスターのような立場になりたいというのですから。
ではこれらは矛盾しているのかというと、そうとも限らないのですね。やはり裁判官も大勢いますから、性格も違うし、考え方も違う裁判官もいるだろうと思います。また事件によりますかね。それで中にはスター気分を味わいたいと、そういう出番が回ってこないかなと期待している裁判官もいるだろうと思います。著名事件の判決の言い渡しで裁判長としてテレビに出たいと思っても、それは別におかしいことではありません。普通の裁判官の職務のうちですから問題などありません。
もちろん、裁判官の職務とは別にテレビに出るとなると話は別です。時によっては脱線して裁判官にふさわしくない発言をしたということになると、場合によっては懲戒処分だとかということもあるだろうと思います。しかし、判決の言い渡しで正当な手続のもとに写真撮影とかテレビ録画などがされて放送される分には、別に悪いことはしていないわけですから問題はないわけです。憲法違反を含む判決を言い渡すと、だいたい新聞ではトップニュースとして扱われ、新聞の一面に出ることが多いのではないかと思います。
私もカメラが法廷に導入された初期の頃の話ですが、写真撮影が行われて新聞の記事に写真が載ったことがあります。そのときに記念にどうぞということで新聞社から写真をもらったことがありました。