金の「現物価格」の国際的な指標は、ロンドン市場の「ロコ・ロンドン」と呼ばれる価格です(ロコ・ロンドンは、「(輸送費や保険料などを一切含まない)ロンドンでの取引価格」という意味)。
金価格には、現物のほかに「先物」があり、こちらはニューヨーク商品取引所の価格が指標になります。
投資をこれから始めようという人にとって「金には現物と先物がある」などと言うと、混乱するかもしれません。
しかし、考えてみてください。日本株には4000ほどの銘柄があります。銘柄選びが面倒という人は、投資信託やETFへの投資を選ぶかもしれません。投資信託協会によると、2024年2月現在、6000本近い投資信託があるそうです。株にせよ投資信託にせよ、結局は、膨大な数の銘柄から自分の目的やテーマに合った銘柄を選ぶことになります。
一方、金について覚えておくことは、「現物」と「先物」の2銘柄のみ。それも、日々の金価格の動向を見るのは「先物」の1銘柄で事足ります。先物価格がより重要なのは、現物市場より先物市場の取引額が圧倒的に多いからです。
ここまでの話をまとめてみましょう。
・金にはドル建て価格と円建て価格があるが、推移を見る時は「ドル建て」価格が適切
・国内で報じられているのは主に「円建て」価格
・円安によって「円建ての金価格」が上昇している側面がある
・金価格のチェックはニューヨーク先物市場を見る
金投資を始めるために必要な前知識はこれくらいでしょう。あとは、第二章で述べている「金は不穏な動きが大好き」という根本的なことを理解していれば十分です。
金価格を確認する際に使える
便利なサイトと検索ワード
金投資で最も重要なのが、価格自体の情報でしょう。先ほど「金価格はニューヨーク商品取引所の金先物が基本」ということをお話ししました。最近では、金先物の価格やチャートが見られる証券会社のサイトが増えてきました。また、「金先物 価格」あるいは「金先物チャート」と検索すれば、すぐに価格を調べることができます。そこまで詳しくはありませんが、日経新聞のサイトでもマーケット情報の「商品」欄で金先物の情報をチェックすることが可能です。