そのため、スマホやパソコン、テレビのほか、ありとあらゆる電気製品の中の電子部品に金が使われています。しかし、金の総量自体は変わりません。だから、金はいつまで経っても価値が高いものとして扱われるのです。

 余談ですが、人類は古くから別の物質を金に変える、いわゆる「錬金術」に取り組み、失敗してきました。実は、現代の科学をもってすれば別の物質から金を生成することは可能だそうです。ただし、生成される金の価値を大幅に超えるコストがかかるため、誰もやらないのでしょう。

 金への投資は、株式投資ほどメジャーではありません。そのため、株と比べると情報の量もかなり限られています。それだけに、チェックすべきところはきちんと押さえておくことが重要です。

 ここからは「金価格の情報はどこで見ればいいの?」「相場の動きについて知りたいのだけれど、何を見ればいい?」「そもそもどこで買うの?」など、金投資に関する基本的な事柄について述べていきましょう。

金価格・金取引に関する
情報を得るときの注意点

 昨今の金価格の上昇を受けて、街中に金の買い取り店があふれるようになりました。テレビ番組で、ネックレスやイヤリングなどの宝飾品を売りに来た人にインタビューをしているシーンを見たことがありませんか?金価格が1グラム8000円、9000円など節目の価格を突破すると、ニュースでそれが報じられると同時に、「金の買い取り店に行列ができている」として、買い取り店の前に並ぶ人を写したり、インタビューしたりするわけです。金価格は2023年8月、史上初めて1グラム=1万円を突破しましたが、その際も同じような取り上げ方がされました。

 しかし、金価格については気に留めておかなければならないことがあります。それは、「初めて金1グラムの値段が1万円を突破した!」というニュースは、金価格を「円建て」で示していることです。金価格には、「円建て」のほかに「ドル建て」があり、双方は異なる値動きをしているのです。