25年 給料ランキング#5Photo:PIXTA

海運業界ではコロナ禍の“バブル”以降も、需給の逼迫により好調が続いている。そうした好業績を背景に高待遇が継続しているが、各社の給与は実際どうなっているのか。特集『25年 給料ランキング』の#5では、海運業に該当する上場企業11社の給与をランキング。トップ3の企業は意外にも大手3社ではないことが判明した。(ダイヤモンド編集部 田中唯翔)

郵船は2年連続で10%以上ベア
大手3社と同水準の給与の企業も

 高給取りとして知られる海運業界。新型コロナウイルス禍に発生した“海運バブル”以降も好調な業績が続いており、社員の待遇も高止まりしている。

 業界最大手の日本郵船は2025年の春季労使交渉(春闘)で平均13%のベースアップを実施し、15%を引き上げた24年に続いて2年連続で10%台の高い賃上げを行っている。

 単体の従業員数は、自動車やエネルギー、コンテナなどさまざまな輸送事業を手掛ける日本郵船でも1336人で、事務を行う陸上職の新卒採用人数は30人程度。ドライバルク(乾貨物)輸送が中心のNSユナイテッド海運に至っては従業員数は247人で、陸上職の新卒採用人数は毎年5、6人となっている。

 採用人数が少なく、少数精鋭で事業を展開しているのが海運業界の特徴だ。業績が良くなれば社員に還元しやすい事業構造のため、好調が続く現在は日本郵船のように高水準の賃上げが実施されている。

 では、海運各社の実際の給与はどの程度の水準なのか。海運業に該当する上場企業11社の有価証券報告書を基に平均年間給与を集計し、ランキング。また、日本郵船、商船三井、川崎汽船の大手3社については過去5年の推移を掲載した。

 ランキング結果をひもとくと、意外にもトップ3は大手3社の顔触れではないことが判明した。大手3社と同水準の高待遇を提供する海運会社は一体どこか。次ページで公開する。