2つ目は「環境を変える」です。

 日中オフィスにいる時間が長い人は、近くのお店に飲み物を買いに行くなどして少し外に出てください。それだけでも気持ちが切り替わり、頭がスッキリすることがあります。もし外出が難しい場合は、トイレに行ったり、廊下を歩いたりしてみましょう。

 その際、肩を回すといったかんたんなストレッチをしてみることもおすすめです。長時間同じ姿勢を続けると血行が悪くなり、自律神経の働きが低下するだけでなく、脳内の酸素や栄養素が不足するため、集中力も落ちてしまいます。

 長時間座り続けることは健康に悪影響を及ぼし、死亡リスクを高めることもわかっています。「1時間座り続けると余命が22分縮まる」という恐ろしい研究結果が発表されているのです。少し身体を動かすだけでも血行の促進に繋がるため、意識的に身体を動かすとよいでしょう。

頭を空っぽにするための
ToDoリスト

 3つ目は「問答無用でとにかく手を動かす」です。

 会社で細かい作業に集中していたときに、周囲の人からの呼びかけがまったく耳に入らなかった経験はないでしょうか?このような事態が発生するのは、人間の脳は思考と感覚を両立できないからです。

 視覚や匂い、食感などに集中しているときは、基本的に考え事はできません。つまり、感覚を重視した作業に集中すれば、思考を一時的に中断できるということです。

 脳疲労を起こした際は、頭の中が考え事でいっぱいになり、思考が負のループに陥ってしまうケースも多々見られます。マイナスな考えが頭の中を占め、何をしても気分が晴れない場合は、とにかく思考を伴わない作業に集中してみましょう。たとえば、写経や手芸、ヨガやストレッチなどに黙々と取り組むと、脳疲労の軽減が期待できます。

 とはいえ、仕事や家事が忙しく時間がかかる作業に取り組めないという人も多いと思います。そのような場合は、「身体を動かすToDoリスト」を書き出し、上から順番に取り組むことが適しています。

図表:身体を動かすToDoリスト同書より転載 拡大画像表示