ToDoリストの一番上から
順番に作業を進めるべし

 このときの重要なポイントは、必ず身体を動かす作業だけを書き出すことです。やるべきことのなかには、家計簿の整理などの頭を使うものもあると思いますが、脳疲労を起こしている際には、何も考えずにこなせる作業が適しています。庭の草むしりや冷蔵庫内の整理、部屋の掃除などで一心不乱に身体を動かせば、終わりのない思考を断ち切り、頭をリセットさせることができます。

 このような運動以外の生活活動で消費されるエネルギーはNEAT(ニート)と呼ばれ、一般的な運動に取り組んだ際のおよそ5~6倍ものエネルギーを消費することがわかっています。自律神経のバランスを整えるためには、生活習慣を整えることが欠かせません。ToDoリストの達成により、無理なく身体を動かしましょう。

 また、リストの一番上から順番に作業を進めることも、重要なポイントの1つです。リストに取り組む際に「次は何をやろうかな」などと考えると、脳疲労からの回復を妨げてしまいます。よって、リストの一番上から機械的に進めていき、作業に没頭することが重要です。

 意外にも、頭の悩みは頭では解決できません。身体的な疲労とは反対に、「脳疲労は身体を動かして解消する」と覚えておいてください。

人間が1日にできる
決断の数は限られている

 ToDoリストを書き出す力も残っていないくらい脳疲労が蓄積してしまった場合に備え、そのときに取り組むことを日常的にメニュー化しておくこともおすすめです。

 というのも、「次はこれをしよう」といった何かを決断する行為は脳にとって負担になりやすく、脳疲労を増幅させてしまう可能性があるからです。そのため、事前に脳疲労が起きた場合の回復方法をあらかじめ決めておくことで、決断による脳疲労を防止することができます。

 特別なことに取り組むのではなく、靴磨きや皿洗いなどの日常的な行為でまったく問題ありません。

 このように事前に取り組むことを決めておく方法は、著名な経営者やスポーツ選手も多く取り入れています。