これはしまむらのパートタイマーの平均時給が2163円だということを意味します。最低賃金の倍以上の水準で、一般企業の正社員の時給に匹敵するレベルです。
SNS上ではこれとは別の企業が話題になっています。「まいばすけっと 時給」で検索すると、首都圏でイオンが展開するスーパーのまいばすけっとの募集広告の画像を見ることがあります。
話題になっているのが早朝、深夜の時間帯の時給が1800円、それ以外の時間帯でも1430円だということです。ウーバーイーツを利用した際に配達員が「ピックアップに行った先のバイトの時給に抜かれた」と嘆いていたのが印象的です。
さて、フルタイムで働く場合の年間の労働時間は約2000時間ですから時給2000円なら年収400万円程度になります。これまで非正規労働の常識はその半分、時給1000円、年収200万円が当たり前だと言われてきたものですが、その常識が変わり始めているのでしょうか?
私は経済の未来予測が専門です。その立場で先に結論を申しあげると、勝ち組パートの年収400万円の時代は確実にやってきます。今後5年間という想定でいえばパート年収500万円の時代がやってくる可能性すらあると考えています。その根拠を3つの切り口で説明させていただきます。
【変化要因1】
若い労働力人口の減少ペースの加速
日本の人口が少子高齢化していることは誰でも知っていますが、数字で捉えるとどうでしょう?
2025年6月現在、わが国の20代の推計人口は約1279万人です。これに対して50代は1836万人。今の50代は30年前に20代だった人たちですから、1990年代と比較すれば若者人口は約30%も減少しています。おなじ理屈で40代と比較しても20代はおよそ20%の減少です。
そして怖いことにはこれからの10年で若者はさらに20%減少、20年後には34%減少することが「決まっている」のです。なぜなら20年後の20代はもう生まれているからです。