秘訣は敬意と配慮を
言葉に込めること

 秘訣(ひけつ)は、相手への敬意と配慮を言葉に込めることです。どんなフレーズも、相手を思いやる心がなければ、ただ話をぶった斬るだけで、関係が悪くなる恐れがあります。

 さらに、感謝の気持ちもさりげなく伝えています。「ありがとう」という言葉は、誰の心にもすっと入ってくる魔法の言葉です。相手のハートを温かくし、良好な人間関係を築きます。会話を切り上げる際も、相手への感謝を伝えることで、気持ちよく受け入れてくれるのです。

 では具体的にどんなひと言が効くのか。長い話を一発で終わらせる、効果的なフレーズと使い方を見ていきましょう。

「話を整理しましょう」で
スマートに会話のかじを取る

 相手の話があちこち脱線して、収拾がつかないと感じたら「ここでいったん話を整理しましょう」と言ってみましょう。シンプルながら、会話の主導権を穏やかに握ることができる強力なワードです。相手の話を遮るのではなく、あくまで「整理」という行為を通じて、話を止めることができます。

 相手の話を理解しようとする姿勢を示すことができるので、相手は嫌な気持ちになりません。さらに相手も頭の中を整理できるので、スムーズに話が終わるきっかけを掴めるのです。

 話が長い人は、会議中でも脱線しがちです。この場合、会議の目的を改めて確認するのが良いでしょう。「ちょっと待ってくださいね。すごく面白いのですが、ちょっと内容が脱線していませんか?」「この会議で決めることは○○ですよね」と問いかけてみましょう。

 扉をピシャリと閉めるように冷たく言うのではなく、「ん?」「あれ?」という言葉を交え、ちょっと困惑したような表情で言うといいでしょう。相手は「ああ、そうか」「しまったな」と気づき、話を止めてくれるはずです。

 大切なのは相手をリスペクトする気持ちです。絶対に「あなたの話は長いからわかりづらい」など、攻撃をするのはいけません。敬意を払いながら、さりげなく話の方向を本線へと戻しましょう。

 脱線して話していた内容に対しては、「面白いので、また別の機会に聞かせてください」と言ってもいいでしょう。