後部座席を倒すと完全にフラットになるN-BOXは、JOYだけ

F:JOYの話に戻りましょう。試乗させていただいて一番楽しかったのは、やっぱり後ろの「ふらっとテラス」でした。あれはとても良いですね。

諫:ありがとうございます。N-BOXって、もともとテールゲートがすごく大きいんですね。テールゲートをドンと開けて、左右のリアシートをダイブダウンでバンバンって倒すと、室内に広大な空間が生まれます。シートが沈み込んで完全なフラットになるから、そこに乗り込んでリアに向かうと、すごく良いスナップショットが撮れるんです。今風に言うと、思い切りバエる写真が撮れる(笑)。

N-BOX JOY。リアシートを倒すとフラットになるN-BOX JOYは、リアシートを倒すと完全に水平(フラット)になる Photo by A.T.
N-BOX JOY。両方倒せば「ふらっとテラス」の完成リアシートを両方倒せば「ふらっとテラス」の完成 Photo by A.T.

AD高橋:広報写真にも、そういうショットがありました。

諫:床が完全な水平になるのは、実は今回のJOYだけなんですよ。ノーマルとカスタムのN-BOXは、自転車を積みやすくするために、一番後ろが少し低くなっている。前に行くに従って、徐々に上がっているので、微妙ですが坂になっている。だからそこでくつろぐことができないんですね。

F:そうだったんですか。気が付かなかった。

AD高橋:フェルさん、撮影の時に、ゲートのところにちょっとした段差があって、「なにこれ邪魔だな」って言ってたじゃないですか。あれのことですよ。

くつろぎ感覚を試すため、みんなで海に行ってピクニックをした

諫:それがフラットを提供するための段差です。そこの段差をなくすと、後ろのほうが下がってしまうことになるんです。本当に微妙な傾斜ですが、やはり坂になっていると、心からくつろぐことができません。これは部内でも賛否があって、僕ら実際に両方を造って鈴鹿のデザインのメンバーにも来てもらって、坂のあるなしで「くつろぎ感覚」がどう違うかを実証実験しに行きました。美味しいサンドイッチとコーヒーを買って、津の方の海が見える景色の良いところまで行って。

F:休みの日にみなさん協力してくれたんですね。クルマ愛が強いなぁ。