金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?#13Photo:PIXTA

中東情勢の緊迫化に伴う運賃市況の上昇を背景に、業績予想の上方修正が相次ぐ海運業界。しかし、好業績の裏で新たなコスト増の要因として浮上しているのが金利上昇だ。特集『金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?』の本稿では、2年以内に返済・償還を迎える有利子負債の借換金利が1%上昇した場合、足元の利益をどれだけ押し下げるかを独自試算した「金利上昇衝撃度」で海運業界各社のランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部 大川哲拓)

中東危機で収益押し上げも
金利上昇が新たなコスト要因に

 足元の海運各社は地政学的緊張の高まりを追い風に業績を伸ばしている。日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社は2027年3月期の期初時点では最終減益を見込んでいたが、3社とも第1四半期を経て、連結純利益の通期見通しを400億~700億円上方修正している。

 好調の要因は混迷を極める中東情勢にある。スエズ運河の通航を回避し、南アフリカの喜望峰経由の迂回を余儀なくされるなど、航行日数が長期化。世界的な需給逼迫を招き、コンテナ船や原油船、ケミカル船などの運賃市況を押し上げている。さらに、米国での新たな関税引き上げを見据えた「駆け込み需要」も市況高騰を後押しした。

 こうした“特需”に沸く海運業界だが、新たなコスト要因となるのが日本銀行によるマイナス金利解除や追加利上げに伴う調達金利の上昇だ。日本に「金利のある世界」が戻り、26年6月には政策金利は1%程度まで引き上げられた。市場では、9月の日本銀行金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るとの観測も強まる。

 海運業界は、船舶の調達などで多額の有利子負債を抱える企業が多い。有利子負債が多くても返済・償還が数年先なら、当面の影響は限定的だ。逆に負債総額がそれほど大きくなくても、近い将来にその多くが返済・償還を控えていれば、借換金利上昇による打撃は大きくなり得る。

 そこで今回、ダイヤモンド編集部は、決算期末時点で2年以内に返済・償還を予定する有利子負債を対象に、借換時の金利が1%上昇した場合の利払い負担増加額を試算した。さらに、その金額が直近3期の平均営業利益に占める割合を算出し、利益への圧迫度を示す「金利上昇衝撃度」としてランキングを作成した。

 果たして、どこの海運会社が金利上昇によって大きな打撃を受けるのだろうか。次ページでは、海運業界の企業を対象としたランキングを公開。金利上昇が各社の利益にどのくらいの影響を与える可能性があるのかを詳しく見ていこう。