5億から120億へ――。さらなる窮地に立たされた半沢から目が離せないドラマ『半沢直樹』だが、再び登場した強烈キャラ・黒崎にニンマリした視聴者も少なくないだろう。前回、メンタリズムで半沢の上司力を解説したDaiGoが、今回は正反対の二人、半沢と黒崎の「交渉力」の違いを鋭く分析する!
交渉相手を「イエス」と言わせるのは
黒崎か、それとも半沢か?
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「お久しぶりねぇ」というセリフと共に、第6話ラスト、あのオネエ系キャラ黒崎が帰ってきました!
きっと私と同じように「おおおお~」と声を上げた視聴者の皆さんも多いのではないでしょうか。
第1部、大阪編でなんともいえない存在感を放っていた国税庁のエリートから、金融庁の検査官となって帰ってきた黒崎。冒頭から半沢を前に「運命って、信じる?」なんて、もう黒崎にしか言えないセリフだと思いませんか?
今回も、あの粘着質な執念とおなじみのオネエ口調は健在、いやパワーアップしています。特に、疎開資料探しで花にしてやられた場面には、失礼ながら思わず噴き出してしまいました。
そこで今回は、黒崎復活記念!として、「交渉力」という観点から、半沢と黒崎の違いをメンタリズム的に分析してみたいと思います。
最初に、黒崎の交渉術から見ていきましょう。
黒崎の場合、注目すべきは視線です。とにかく相手から目をそらさず、無言のプレッシャーをかけ続けます。そして、相手がそのプレッシャーに負けて話し始めるのを待つ。黒崎が得意とする交渉術は、交渉というより「尋問」に近いテクニックです。
人は黒崎のように目をそらさずに見つめ続けられると、よほど特別な訓練でもしていない限り、緊張やプレッシャーに押しつぶされて声のトーンが上がったり、話すスピードが速くなったりと、言動に変化が表われます。つまり、「何か隠していることがある」ことが一目瞭然なのです。
相手が隠ぺいしていることを暴くとか、ついている嘘を見破るというケース、つまり金融庁の検査官という立場ならこうした尋問テクニックはとても役に立つスキルでしょう。
もちろん、黒崎の場合はあくまでドラマというフィクションの中でのこと。実際にビジネスの現場で相手を執拗に追い詰めるなどというシーンはないでしょうし、交渉術という観点からもおすすめはできません。
しかし、黒崎の「視線テクニック」には驚くべき効果も隠されています。