企業の成長、低迷に至る典型的なシナリオ
企業が低迷状態に陥った理由を調べていくと、自社の成功のサイクルが回っている因果や、他社に勝てている理由を明確にすることなしに、結果的には自分の首を絞めるような手を打っていたという例を見ることがあります。
つまり、戦略的な方向性は正しくても、それを真摯に謙虚に実行できていない状況が低迷を招く、ということです。
市場というのはありがたいもので、事業や製品が当たった時、お客様からは「せっかく見つけた、私のお気に入り」と捉えられるため、1、2回程度、裏切られても大目に見てくれます。
そして「仏の顔も三度」目あたりになってやっと「やっぱり、この会社、このブランドはダメだ」と離れていきます。
この時間差のせいで、よほどよく市場を見ていないかぎり、お客様にとって不愉快なことを続けていることに気がつかずに、事の因果がつながりにくい状態になったりします。
ここで起きる成長の頭打ちは、成功を実現してきた過程で得られた正しい因果を見失い、言葉を選ばずに言えば、「バカをやった」結果として起きる場合が多いと思います。
もっとも「あれはバカをやった」とは、あとからわかることでもあるので、「真摯に振り返りをする」「謙虚に反省をしたら素早く修正する」というのが、現実的な対応だと思います。