自己分析とは
「自分が大切にしている価値観」を知ること

 ズバリ言おう。
 自己分析で一番大切なのは、自分の「大切にしている価値観」を知ることだ。

 例えば、次のような時に、きみの価値観は作られている。

・世間の目を大事にする両親に育てられたから、自分も肩書きや社名を大事にするようになった
・転校が多い小学校時代が意外と楽しかったから、人との新たな出会いを好むようになった
・大学受験に失敗してコンプレックスがあるから、エリートに対して対抗意識を持つようになった
・いじめられた経験から、傷ついている人が放っておけなくなり、人に勇気を与えることに価値を置くようになった

 良い悪いではない。正解・不正解もない。
 人生で起こったインパクトの大きな場面の数だけ、その人の価値観が生まれる。
 その一つ一つを振り返ると、自然と「仕事や未来の自分に関連する価値観」がいくつも見えてくる。

自分の価値観を明確にする
3つの切り口

 特に次の3つの切り口で、価値観を明確にしてほしい

1.Being:どんな能力・人間性になりたいか
2.Having:何(収入や名声)を手に入れたいか
3.Giving:社会(や人)にどんな影響を与えたいのか

 例えば、
 Beingは「〇〇の資格を取りたい」「人に元気を与えるような人になりたい」など
 Havingは「年収1000万円」「庭付きの一戸建て」「異性にモテまくりたい」など
 Givingは「若者が希望を持てる社会を実現したい」「格差のない社会にしたい」などだ。

 BeingとHavingは自分の欲求を満たすための価値観になることが多い。
 一方で、Givingは他人に価値を提供することを目指す価値観になる。

自己分析のキモは、このGivingにある。
 ここを知らない学生が非常に多く、「自己分析って『自分の強み』を見つけることでしょ」と、勘違いをしている人も多い。
「自己分析したのに、落とされた。だから自己分析は意味がない」と言う人がいる。
 それは勘違い。本当の意味で自己分析をしていなかっただけなのだ。