ポイント6
読書記録は帯と補充カードで補完
感想などの読書記録も「貼る」ことで補強するのがおすすめです。たとえば、自宅にコピー機があれば、読んだ本の一番いいところだけをコピーして貼っておくのもいいでしょう。何枚も貼ると冗長になるので、一枚に絞るのがコツです。
「どのページをコピーするか」と真剣に考えることで、本の理解が深まり頭に入ります。もっと楽な方法としては、本の帯や補充カード(書店のレジで上から引き抜かれる、しおり状の紙。ネット書店で買うとよく付いたままで届く)を使います。
本の帯は、売り文句だけでなくその本の目次構成やピカイチの名言(だと編集者が判断した文章)が載っていることが多いので、適当な大きさに切って貼っておくことで、「こういう本を読んだなあ」と思い出すことにつながります。その本を再読したり、類書を読んだり、そのテーマについて考えを巡らせたりするきっかけにもなるし、「この本が今の仕事に使える」と発見することもあります。
つまり、本棚を眺めるのに似た効果があるのです。もし本を手放したとしても、ノートに本の帯があることで、その本を読んだ体験は、目に見えるかたちで残る。そのことによって、記憶も補強されるのです。
こんな理由で、僕は帯をノートに貼ってしまうことにしています。帯を本に付けたままにしておきたい人は、補充カードを貼っておくといいでしょう。
さて、ここまで5回にわたってノート1冊にまとめる仕組みやルール、書き方や貼り方、マーキングの手法についてご紹介してきました。では、このように集めた素材をどのように検索したり、読み返したりして、オリジナルの思考をつくったり、具体的な成果物へとつなげていけばいいのでしょうか?
その答えは書籍の後半にあります。書籍では、ノートに入れたさまざまな情報を仕事や自己形成に役立てる「知的生産術」の具体的なやり方を詳しく書きました。ご興味のある方はぜひ読んでみてください。(連載終了)
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1981年大阪府生まれ。同志社大学文学部でジャーナリズムを学んだあと、出版社、新聞社の記者を経て『情報は1冊のノートにまとめなさい』で著作デビュー。独自の情報整理術や知的生産術がビジネスパーソンを中心に支持を集め、第2弾『読書は1冊のノートにまとめなさい』、第3弾『人生は1冊のノートにまとめなさい』と合わせたシリーズは累計50万部を超えるベストセラーとなった。
ジャーナリストの経験を活かし、ウェブや雑誌のライターとして活動するかたわら“ノート本作家”として、メディア出演・講演などでも活躍中。仕事に活かせるノートや文具の活用法、本とより深く付き合うための読書法、人生を充実させるライフログの技術、旅行や行楽を楽しむための旅ノート・散歩ノートの技術など、活動の幅は広い。趣味は古墳めぐりと自然観察。ついでに写真撮影。仕事だけでなく家庭や趣味でもノートを使いこなすライフスタイルは、NHKやTBSでも放送され反響を集めた。
その他の著書は『旅ノート・散歩ノートのつくりかた』『知的生産ワークアウト』『「処方せん」的読書術』『新書3冊でできる「自分の考え」のつくり方』など多数。
著者エージェント:アップルシード・エージェンシー
http://www.appleseed.co.jp