新聞書評は1週間かけて読む
書評の読み方にもコツがあります。まずは、他の記事のように読み流すのではなく、興味のあるものはじっくり読むこと。この「熟読」ができるということが、新聞や雑誌といった紙媒体の強みだと思います。
僕も、たまに新聞社のサイトで書評を見たりすることがあります。ところが、はっきり言って全然読めていません。「ウェブの場合、一つのページにユーザーがとどまるのはわずか数秒」という調査報告もあるくらいで、無意識のうちにページをジャンプしている自分に気がつきます。
どうもネットというのは、「じっくり読む」ということを許さない環境のような気がし新聞書評は一週間かけて読みます。結局、ネットでは「ああ、こんな本が紹介されているな」という程度で終わってしまいます。
反対に紙媒体は、書評をじっくり時間をかけて読むのに適しています。僕は、家で読む時間がないときは、新聞の書評ページだけを切り取ってカバンに入れておくことにしています。移動中などを使って、何日かかけて読み、気に入ったものはノートに貼って、さらに線を引いてコメントを書き込んだりする。
さらに、その本を買って読んだときには、ノートに貼った書評を読み返してみます。こうすることで評者や過去の自分の考えを比較し、その本の内容について、より多角的に考えることができるのです。
また、書評は、理解の助けにもなります。書評記事というのは、その本を読んでいない人に向けて書かれた文章です。だから、まずは本の概要を説明しています。それから、評者の感想になるので、前半を読むことで、その本の骨子や話の展開が整理されるわけです。
書評をノートに貼っておけば、気になったときにすぐ読み返すことができるし、ちょっとした空き時間に、切り抜いておいた書評記事を読み返すこともできます。ノートを使って書評と深く付き合えば、読みたい本との出会いも増えてくるでしょう。