世界経済は「資本主義」に基づいて動いています。しかしそもそも、「資本主義」という考え方はどこから生まれたのでしょうか?そのルーツは古く、ヨーロッパの「宗教改革」にまでさかのぼります。「資本主義の生みの親」とも言える、カルヴァンの思想とその歴史的背景を追っていきましょう。
中世ヨーロッパにおける
カトリック教会の金儲け術
中世ヨーロッパにおいて、カトリック教会は「蓄財や同胞からの利子取り立ては、『罪』である。しかしその罪は、教会への寄進によって免れることができる」という教えを利用して、莫大な財産を築きます。
カトリック教会の総本山はローマ市の西、ヴァチカンの丘に建つサン=ピエトロ大聖堂です。聖堂の老朽化に伴い、教皇レオ10世は再建を命じます。
レオ10世の本名は、ジョバンニ=デ=メディチ。フィレンツェ共和国の最高指導者でメディチ銀行頭取でもあるロレンツォ=デ=メディチの次男です。メディチ家は、ルネサンスにおいて芸術家を支援した一族としても有名です。
財界出身の最初の教皇が行ったのは、贖宥状(免罪符)の大量発行です。なぜ、こんなことを行ったのでしょうか?