先生 だがな、それはあまり簡単なことではないのだよ。実は、小型車は利幅が薄くて利益が上がりにくいという課題がある。つまり、小型車はサイズは小さいけれど部品点数は少なくならない。
そして、部品が少し小さくなったところで、部品の製造単価はそれほど安くはならない。もし部品点数が1台2万点で同じなら、組立ての作業コストもあまり変わらない。

有価 じゃあ、小さい車をつくっているのにより多く利益が出るというのは、すごいことですね。

経太 結局トヨタは、1台あたりの売値が31万円も安いのに比例費をその分低くおさえて、1台あたりの貢献利益は日産より9.3万円多くなっています。
133万台分で計算すると、貢献利益の合計額が1,239億円多いということになります。

有価 その1台あたりの貢献利益の差、9.3万円の内訳だけど、売値と材料費の差からくる貢献の差が1台当り4.5万円、輸送費の差が3万円、販売関係比例費からくる差が1.8万円という計算になりました。
材料費もだけど、輸送費が日産の1台7.4万円に対してトヨタの4.5万円というので大きな差ですね。
3万円×133万台は、輸送費だけで400億円の差になります。

先生 私もあまりに違いが大きいので、あるいは輸出費率の違いを反映しているのかとも考えたが、当時の輸出費率は日産43.3%、トヨタ43.6%でほとんど差がない。
内容の明細がないから断言はできないが、長い間の改善努力の差の現れかもしれないね。

経太 トヨタは工場のカンバンシステムの考え方が営業にも浸透していて、徹底的なコストダウンが図られているというから、それが輸送費にも反映しているのかも知れませんね。

先生 さて、日産並トヨタと日産の差の1,860億円のうち1,239億円分は、貢献利益の差だということになったが、残りの621億円は、期間経費の差ということかね。