ここで先生は用意していた表を二人に示しました。

先生 どうだね。このように、トヨタの日本での生産台数386万台を日産の生産規模134万台に縮小すれば、規模の違いを補正したと言えるだろう。具体的には、トヨタの損益計算書をすべて日産の生産台数133万6918台の規模に縮小した。
両社の営業利益の違い5,076億円のうち、3,217億円は生産台数の差から来るので、直ちにはどうしようもないが、日産並み台数に縮小したトヨタと同時期の日産の営業利益の差1,860億円は、日産としては、これはもうどうにも言い訳のできない「効率の差」だと考えられる。

こうしておいて、前回ゴーンさんの前と後でやったように損益分岐点や貢献利益、比例費、期間経費の差をつぶさに見ていくと、どこからその差が生まれているか、よくわかる。

二人はさっそく、日産並みトヨタと日産の損益構造の違いを解析しはじめました。

1台あたりの売値が安いのに
利益が多いトヨタの秘密

先生 どうだね。トヨタと日産の違いを解明できたかね。
全体の大きな枠組からうまく説明できるかな。