事務所のメンバーが私の依頼どおりに仕事を進めてくれないと、「君のやり方は間違っている。もっとこうしてくれ!」「なぜ君には、私の言っていることがわからないのか。こうすればミスを防げるだろう!」などと、無意識のうちに相手を否定するような言い方をしていた。
当然、私に責められたメンバーは、私の発言を受け入れようとしなくなる。「自分には自分のやり方がある」と、こちらの意見に耳を貸そうとしなくなる。人は一方的に否定されると、自分を正当化しようと躍起になってしまうからだ。
その頃は、私も感情的になって口論に発展してしまうことが多かった。しかし、後から冷静になって考えてみると、メンバーにかたくなな態度をとらせてしまったのは自分の伝え方に原因があることがわかってきた。
それがわかってから、私は伝え方を変えることにした。それまでのように「You should(あなたはこうすべきだ)」と言うのではなく「I would(私ならこうするだろう)」と言うようにした。
相手の反省を促すには、それで十分だろう。
(次回は2014年7月25日に更新予定です)
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