「等」はその前にあるものが代表的なものであることを示したうえで、「他にもある」ということを読み手に意識させるために使います。つまり、「一番伝えたいことを最初に言う」ということと、「正確に言う」ということを両立されるために使われているのです。

「等」の使い方で意味が変わってくる

 以下の(1)~(3)の3つの文章は「パエリア・スナック」という架空のスナック菓子についての文章ですが、「等」の広がりを味わってみてください。

(1)パエリア・スナックは、エビ、イカ等の海産物を使って味付けをしています。
(2)パエリア・スナックは、エビ、イカ等の海産物等を使って味付けをしています。
(3)パエリア・スナックは、エビ、イカ等の海産物を使って味付けする等の
特徴があります。

(1)は、パエリア・スナックが、主にエビやイカの味がするシーフードパエリア味のスナック菓子であることを伝えてくれています。普通、シーフードパエリアといえば、ムール貝などの貝が入っているのが定番なのですが、「エビ、イカ等」と表現したのは、そうした味わいをオモテに出したことがこのスナックの特徴であることを伝えたかったからでしょう。

(2)では、基本的には、シーフードパエリア味なのだけれども、海産物以外の食材も使って味付けられたことがわかります。(1)では「海産物を使って」と書かれているのに対し、ここでは「海産物等を使って」と書くことで、海産物以外の食材を使っていることを伝えようとしています。

 たとえば、シーフードパエリアに、鶏肉が入っていることなどもあります。好みの問題ですが、私は鶏肉を入れることで味の深みが出るように感じます。「海産物等」としたことも、そうした味の深みを感じさせたいという意識のあらわれかもしれません。

(3)は、パエリア・スナックの「売り」はシーフードパエリアをスナック化したところですが、「海産物を使って味付けする等の特徴」があると書くことで、味付け以外にも「売り」があるということをいいたかったのでしょう。「新技術でパリッと揚げた食感も新しい」なんてことがあるのかもしれません。