ところで、あなたの仕事は他の人や組織と
つながって行なわれていますか?
全体最適のマネジメント理論であるTOC(制約理論)をよりご理解いただくために、みなさんに次の2つの質問をします。
1.あなたの仕事は他の人や組織と、つながって行なわれていますか?
2.それぞれの人や組織の能力は一緒ですか? バラついていますか?
いかがでしょうか。もし、あなたの仕事が他の人や組織とつながって行なわれていて、また、それぞれの人や組織の能力にバラツキがあるなら、仕事の流れの中のどこかに、バラツキのせいで相対的に弱いところ、つまりボトルネックがあるということになります。
そして、全体のボトルネック、つまり制約に集中し改善していくことが全体最適となります。これが、TOCの核心です。
集中とは、やらないことを決めること
「つながり」と「バラツキ」がある仕組みの中で、制約と非制約、どちらが多いでしょうか。非制約の数のほうが圧倒的に多いのは明らかです。
限られたリソースと時間の中では、非制約に関する改善努力を行なわないと決めることが、制約に集中することを可能にし、それが組織全体に飛躍的な成果をもたらします。
博士は次のように語っています。「TOCの真髄を一言で言うなら、集中である。しかしその意味は、辞書に書かれている意味とはいささか異なる。やらないことを決めることこそが、TOCでいう集中である」
非制約部分をいくら改善しても、制約部分が改善されない限り、全体としての結果はもたらされません。だからこそ、「いまは非制約部分の改善努力をやらない」と決める。それが、全体最適のマネジメントへのパラダイムシフトのスタートとなるのです。