「普段厳しく接しているから、どうしてもうまくほめられない」
「口下手なので、部下をほめようとすると白々しい言葉になってしまう」
リーダーにとって、部下の成長は嬉しいもの。ところが、ほめようとしたけどうまく伝えられずに部下のモチベーションが下がってしまった、ということ、ありませんか? リーダーは「口下手」でも構いませんが、「ほめる」をしなければ、チームはどこかでつまずいてしまいます。
「悩めるチームリーダーにこそ、『技術』が必要だ」との思いで『ぼくは「技術」で人を動かす』を執筆したオイシックス社長髙島宏平氏が、とっておきの「レシピ」を紹介! 今回のテーマは、多くのリーダーが悩みを抱える「ほめ方」です。
【リーダーのつまずき】
口下手だし、いつも厳しく接しているから
ほめられない……
照れくさい。普段は怒ってばかりいるから、いきなりはほめられない。口下手でうまく言えない。
「どうしてもほめるのが苦手」というチームリーダーも存在します。的確に上手に叱れる人はあまりほめ上手ではなく、逆にほめるのは上手だけれど厳しいことは言えない人もいます。叱ることとほめること、チームリーダーなら両方やらなければなりませんが、得手不得手はあって当然です。それならテクニックで補うことにしましょう。
実は私もほめるのが苦手です。だからこそ、ほめ下手な人にもハードルが低くて有効なほめ方を編み出しました。
ほめるのが苦手なリーダーは、上手な人に頼んで自分のチームのメンバーをほめてもらう。
これは手抜きのように見えて非常に有効なテクニックです。
「叱るのが上手なリーダーは、叱るのが好き」というケースはほとんどありません。重い荷物を持つ力はあるけれど、荷物を持つのが好きな人はいないようなものです。叱るのはいくら得意でも大変だし、精神的にも疲れます。
しかし、ほめるとなれば話は別です。ほめるというコミュニケーションは喜びや感謝というリアクションを伴うので、ほめ上手なリーダーの多くはほめることが好きなものです。頼まれたら、快く引き受けてくれるでしょう。
他のチームのリーダーと組んで、お互いのチームを斜めにほめあうのもいいでしょう。
営業一課のリーダーであるあなたは、営業二課のメンバーに対してこう声をかけます。
「この前、二課のリーダーがあなたのことをすごくほめてたよ。あいつがほめるの、あんまり聞いたことないけどね」
営業二課のリーダーには、あなたのチームである営業一課のメンバーを、同じようにほめてもらいます。特に厳しくしているメンバーについて有効です。
「最近、厳しく接しているけど、最近の伸びはすごいなって、一課のリーダーが言っていたよ」
これはつまり、“斜めにほめるコミュニケーション”です。直属の上司からほめられるより、「直属の上司がほめている」と他部署の上司から聞かされるほうが、メンバーは信憑性が高いと感じます。決してお世辞とは思いませんし、日頃厳しくしているフォローなどと曲解することもないでしょう。
{ほめベタのリーダー}に効くレシピ1
「斜めのコミュニケーション」でほめる