「安定」を表す「3」

 神話の世界では、「造化三神」をはじめとして、3種類の神が1セットになって、なにか事を成し遂げるというストーリーが頻出します。

 たとえば、アマテラス、ツクヨミ、スサノオという三貴神は有名です。ここで重要なのは、神々がお互いのテリトリー――天上(アマテラス)、夜(ツクヨミ)、海(スサノオ)――を侵さず、安定した国づくりに大きな働きをするということです。

 現代では、「三つ巴」「三すくみ」といった慣用句があります。これらは、その語感からネガティブな印象を与えることがありますが、お互いを牽制し合って均衡を保つという意味では、「安定」を表しているといっていいでしょう。

「3」の法則を使って伝わる話し方に変える

 このように、3という数字は「充足」「創造」「安定」を象徴しています。言い換えれば、あなたは、このシンボルが示す法則によって自分を律したり、相手の心理に働きかけたりすることで、話を整理し会話をコントロールすることができるのです。

 もっとわかりやすくいえば、「3つの段階」でストーリーを展開したり、「3つの項目」にコンテンツを分類したり、「3つの要素」をシナリオに盛り込んだりすることで、あなたの発言に「充足感」や「創造性」、あるいは「安定感」をもたせることができるのです。

 冒頭で紹介した上司と部下の会話を、「3の法則」を使って修正してみましょう。